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たとえば、​

あなただけに見えるものがあるとするなら

それは“お化け”だろうか?

はたまた“幻覚”だろうか?

 

伝承、噂、そこに留まる魂…。
そうしたものがいつしか
一つに絡み合い、人を模倣して現れる

彼らは人の暗い思ひを糧に生まれた存在故、
嫉妬に恨み、執着を帯び人に害をもたらす。

 

​彼らと会ったら目を伏せ、其の深淵を覗くことはしないこと。

​​「川を渡るのは一方通行」

​​

小さな背中は業を背負い何処へゆくのか

心霊スポット擬人化男×女学生

恋愛逆ハーレム創作です
この物語はフィクションであり、
実際の人物・団体とは一切関係ありません
またホラー要素や差別的表現、未成年者との接触等が
多く含まれますので苦手な方は閲覧をご遠慮ください

「​暑さ寒さも彼岸まで」

連なる田んぼ道をとぼとぼ歩くのは、中学生の少女である。 父母の離婚によって母のもとから離され、父方の祖母の家に預けられて数日。転校生という立場の緊張、両親に会えぬ寂しさ、慣れぬ土地への不安……そのすべてを胸にしまい込み、彼女はただ身を潜めるように日々を過ごしていた。 通う中学校は歩いて四十分。近隣の村や町から通う子も多く、浮くことはなかった。 けれど、考えごとをしていれば慣れぬ道などすぐに踏み外すもの。 気づけば少女は下校途中に山道へ迷い込み、帰ろうと踵を返したその時、ふいに目に入った。 ――トンネルの奥に、小さな光。 「抜け道があるのかも」 そう思った彼女は吸い寄せられるように足を踏み入れる。 トンネルは昼なお暗く、地面はごつごつとした石で覆われ、足を取られる。 「まだ日は沈んでないのに……」 そう呟きながら、彼女は幾度も転びそうになりながら、朧な光を目指す。 そのとき――。 「……誰だ」 闇の向こうから、掠れた声が響いた。 男の声に思えた。姿も顔も見えぬ。だが、地を這うような低さに背筋が凍る。 「……引き返せ」 出口はすぐそこなのに?  あと一歩で光に届くのに? 少女は不満と不安を胸に、それでも光の近くに佇むその“男”へ向かって足を進める。 ――その瞬間、甲高い犬の遠吠えが響いた。 思わず足が止まる。野犬か? 胸がざわめいた瞬間、 「はよ」 ごつい手が肩掛け鞄の紐をがしりと掴んだ。 驚いて顔を上げると、目の前には―― 眉間に深い皺を寄せた二十代半ばほどの男が立っていた。 左半分の顔を覆う火傷跡。 どこか荒々しい風貌に、少女の身体は石のように固まる。 「はよ帰りんさい」 鋭い声。 だが背を向ければ、暗闇の奥からは犬の声。見知らぬ男に背を見せるのも怖い。 祖母の家もわからない。胸に込み上げる涙。――泣くまいと決めたのに。 「はよ帰りんさいッ!」 叫ぶような叱声。 どうしてみんな私を拒むのだろう――。 耳の奥で、また犬の遠吠えが木霊する。 砂利を踏む音が目の前から近づいてくる。 男は背にあるトンネルの出口を鋭く睨んだ。 次の瞬間、身体がふわりと浮く。 驚く少女を、男は俵担ぎに抱えあげ、砂利を蹴って走り出す。 布が摩れる音。 それに混じって、目の前の暗闇の中でもっと大きく揺れるもの。 追いかけられている――そう思った瞬間、 ――光が爆ぜた。 山のせせらぎのような冷たい風とともに、眩しい光がなだれ込む。 気づけばトンネルを出ていた。 男は少女を地面に降ろし、短く言う。 「ここには来なさんな」 「……?」 「今日のことも、この峠のことも、忘れんさい」 「峠……?」 不思議そうに見上げる少女を覗き込み、男はふっと目を細めた。 「あぁ……なるほど」 呟いた声に、妙な重さがあった。 ――この娘は“業”を持って生まれたのだな。 業を抱えて生まれる者は珍しくはない。 だが多くは大人になる頃には消えてゆく。 彼女の業は厄介だ。トンネルを越えていないのに犬が吠え、住人が気配に気がついたのもそのせいだ。 可哀想に。だが、俺には関係ない。 思案していた男に、少女が小さな声で尋ねた。 「あの……山下の、お地蔵様がある四叉路って、ご存じですか?」 道を聞かれて、思わず頭を傾げる。 どうやら彼女は、本当に道に迷っていただけらしい。 祖母の家の場所を推測すれば、かなり引き返す必要がある。 それを告げると、少女はげっそりとした背中で歩き去っていった。 山の夕陽はすぐに沈む。 徐々に沈む景色を、彼女は気づいているだろうか。 複雑な思いで見送りながらも、男は首を振る。 ――俺は門番。ここを離れるわけにはいかない。 ガスランプを掲げ、再び暗いトンネルへ足を踏み入れる。

Character Bio

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​喜屋武岬

Author’s Note

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三年寝太郎のプロフィール

成人済みのフリーイラストレーター

ホラーゲームと民俗学と夢小説が大好き

衝動的に一時二次関係なしで制作を行っている。

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